ドックにて専門医の先生と栄養指導の会話から
今回のドックでは1日目の検査の空き時間に
- 看護師による動脈硬化・生活習慣病に関するレクチャー
- 管理栄養士による栄養指導
のどちらかを受講する機会があり、私は栄養指導を選択しました。
この記事ではこの栄養指導と二日目に専門医の先生の受診のなかでいわれたことを中心に書きます。
栄養指導
- 体格から求められる必要カロリー量を把握し、その範囲で食べること
- 必要カロリー中60%は炭水化物から摂取すること
- 野菜は意識してしっかり摂ること。でも野菜の中には炭水化物(糖質)が多いものがあることに注意。これらの野菜を摂るときはご飯の量を調節するなどする
- コレステロールは食品由来が約20%、体内での産生が約80%。体内での産生能は加齢とともに衰える
- タンパク質、特にお肉は食べ過ぎないように。白身魚は栄養的には良いけど塩焼の魚は塩分が重さ当たり約3%もあるので(100gで3g)食べ過ぎに注意。
- 肉魚の摂り過ぎで腎臓を悪くする人が多い。
- (私:腎不全になる人は糖尿病の方がおおいのでは?)私の印象では腎臓を悪くする人は主菜の食べ過ぎの方が多い。糖尿病由来の腎不全は少ない
- 塩は摂り過ぎないように
- 最近は卵でも肉(タンパク質)でも糖質制限でも極端な言説が多い。極端なのは良くない
- プロテインは邪道
「食事バランスガイド」を参照している。
生活指導・運動指導(代謝面)
- ダイエットの基本は食事管理。運動療法は圧倒的に続かない
- 運動は普段の生活のなかで歩くこと。通勤経路で一駅分歩くとか
- 激しい運動はお勧めしない
- 日本食を食べ過ぎない程度に食べて、普段の生活から歩くように心がける生活習慣が一番健康に良い
がん検診の優先順位
内臓を「見る」検査が先。
腫瘍マーカーは上の検査を受けるならむしろ不要、といった風に受け取りました。
眼科検診
- 左目の眼底写真上で血管にやや異常(かも)がみられるが、他の検査結果と併せて診断した結果「問題なし」とする
- 私としてはなぜ右(1.2)より左(0.5)の視力が低いのか、その理由の説明がないと訴える
- では、紹介状を書くのでかかりつけ医で受診してください、とのことになった。
感想
コレステロール論争
実はここに注目していました。今、医学界では
- 人間ドック学会が「これまでのコレステロール目標値は高すぎる」
と発表したことにたいして
- 他の学会が「高すぎない」
と反論したり、
- コレステロール値が高い人の方が低い人より〈長生きする〉
との研究結果に対して、
- コレステロールの質、つまりLDLがHDLに対して多い人は〈心疾患イベント(心筋梗塞や脳卒中)のリスク〉が高い
と反論があったりでなかなかホットな話題です。この論争についてドック医の当事者の人がどう答えるのかに注目していましたが、
「あなたはL/H比が良好ですね。結構です」
といったもので、脳血管学会寄り(ドック学会寄りでない)の見解でした。
サルコペニア/フレイルには一切触れない
栄養指導でも診察でも全く触れられませんでした。当然”貯筋””筋活”といったキーワードもなし。
筋トレをしてジョギングをしてプロテインを飲んで…といった習慣にはむしろ否定的でした。
受診している私にとって重要なトピックでない、とみなされた可能性はありますが、私より年上の女性と一緒に受けた栄養指導でも触れられませんでした。
糖質制限
もってのほか。バカじゃないの。と言わんばかりでした。
腎不全から透析になる患者さんは糖尿病由来が多いと思ってましたが、患者さんを多く見てきた栄養士さんから「そうじゃなくて肉魚とか主菜の摂り過ぎの人が多い」と聞かされたのは新しい発見でした。
個別性
一番気になってのはここでした。
私は
- 将来的に筋量が落ちることに備えて今のうちに筋肉を蓄えておく
- ジョギングできる体力を温存する
- 効率的に筋肉をつける、血糖値を上げ過ぎないように高たんぱくの食事を摂る
といった生活を心がけています。
その私が専門家に問いたかったことは
- 上の生活を送るうえでどんなリスクが、どれくらいあるか
- そのリスクに気を配るうえでどんな指標(例えば腎機能)に注意を払えばいいか
要は「この指標がここまで下がってくるようならやめた方が良いよ」
ということが聞きたかったのです。
栄養士さんのレクチャーと先生の診察には
「食事バランスガイド」
と
中庸な運動習慣
という健康(思想)を、
私の生活スタイルに落とし込む
視点がなかったと思います。要は
「そんな生活止めて私の言う通り生きなさい」
と言われたようなものです。
これは、、、どうなんでしょう。
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