ランの出るとき/出ないとき
はじめに
このページではアメフット用語を以下のように使っています。使い方が本来の意味とはまったく違う場合も当然あると思いますが、ちょっと大目に見てやってください。
- Strong Side:オフェンスプレイヤーの配置が多いサイド(またはTEがセットしているサイド)
- Weak Side:オフェンスプレイヤーの配置が少いサイド
- Box Area:ディフェンスの両EDGEプレイヤーとILBによって形成されるエリア
- Play Side:オフェンスがボールを進めようとしているサイド
- Back Side: Play Side の逆サイド
- Down Field:Los (Line of scrimmage)を挟んだDefense 側のフィールド
- Back Field:Down Field の反対側のフィールド
Back Side と Back Field は混同しやすいかもしれません
- Off Tackle:オフェンスのT、E、とディフェンスのEDGE によって形成されるエリア。ラッシングオフェンスの主戦場。
- Rushing Lane: RB の走路
最後
- Drivable Lane (仮称):RB が走路(Rushing Lane)として活用できるフィールド上の横幅に”私が勝手につけた”名称です。この概念を専門用語で何と呼ぶのか私は知りません(しかし概念自体はきっとあるはずです)。
ランプレイのスタイル
展開が速い/遅い、またはPoA(Point of Attack)が固定的か/フレキシブルかで大きく二つに分けられます。
展開の遅い/(PoAの)フレキシブルなラン
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
Slant Off Tackle
- オフェンシブラインマンが左右どちらかに一斉に流れながら自分の進路に立ち塞がるディフェンダーをブロックしていき、RBはその後ろから空いた穴に飛び込んでいきます。
- オフェンシブライン間のギャップが流れていくので、ディフェンダーはお互いに等間隔を保ちながらギャップを埋めるのが困難です。誰から流れ過ぎたり流れなかったりすると、そこに大穴が開くことになります。
- 一方でこのプレイは展開が遅いため①ブロッカーがブロックを維持する時間が長くなることや②ブロックのコンビネーションを成功させるのが難しいこと、⓷バックサイドからのパシュートに弱いことなどの弱点があります。
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
展開の速いラン/(PoAが)決め打ちのラン
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
RB は左オフタックルに突っ込みます。
その他のランプレイ
Trap Block pic.twitter.com/nq4g5Orc2v
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
プレイサイドの DT をわざとバックフィールドにフリーで侵入させてアングルブロック
Trap block pic.twitter.com/7z68CIj5Nm
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
これも。
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 24, 2017
カウンター(スキャット)。O-Line のスタートを切る向きと反対方向がプレイサイド(ボールの進む方向)です。
ランの出るとき/出ないとき
ボックスエリアのブロッカーの数 vs ディフェンダーの数
上はプレイサイドにおいてオフェンスがディフェンスに対して優勢です。
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
このプレイの場合、プレイサイドのディフェンダーに対してブロッカーが一枚足りていません。
オフタックルをめぐる攻防
ランオフェンス(ディフェンス)をみるとき、ボックスエリアの中央にデンと構える巨漢の NT に注目される方は多いかと思いますが、私がむしろ注目するのはオフタックルにおけるT(とエクストラブロッカー)とEDGE 間の攻防です。理由は
- オフェンスが PoA 、攻撃の対象とする地点は、フィールド中央よりオフタックルの方が圧倒的に多い。
- NTが押し込まれることによるディフェンスの損失は喪失があと3,4ヤード増えるかどうかというものだが、Off Tackle を守れるか/破られるかは10ヤード以上喪失するか/しないかのはなしになる。
からです。
ここで”Drivable Lane“(仮称) 登場。デイフェンスの両EDGEのコンテインが機能している限り、 RB のとり得るランニング可能な横幅は上の図のとおりです。ILB もこの範囲さえ守ってれば RB を捕まえることができます。
しかしいったんプレイサイドのコンテインが破られてしまうと、“Drivable Lane” はプレイサイドのサイドラインまで延長されることになります。 ILB がボールキャリアーを捕まえに行く範囲もそれだけ拡がることになります。
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
Falcons はゾーンブロックでこのオフタックルを攻略するのがおそらくNFL で一番巧みです。
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 24, 2017
そしてプレイアクション。
こういうことです。この場合、ディフェンスがアプローチすべきところは
ここです。
— ケチャ[kétʃə]若干舞い上がり中 (@toosourketchup) September 30, 2017
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