2018 Season Seahawks vs Broncos Review
Week 2対Raiders戦のプレビューもあるよ!
Bronco’s Defense
総論
昨シーズンまでのディフェンスとの違いに気がついた人~?
(*´ω`)ノ
- CBのワイドアウトとのクッションがルーズになった
- Cover-2アライメントが増えた
この2点が印象的でした。ついでに言うと2人のILBのセットポジションもL o Sから若干(0.5Ydくらい)遠くなっていました。つまり「ディフェンスアライメントがより”普通”になった」といえます。このブログで何度かネタにしていますが、Broncosのディフェンスといえば「リスクを積極的に取りに行って、大きなリターンを目指す」スタイルに大きな特徴がありました。
(このへんのことは以下の記事に書いています。
読んでね♪)
このリスクとリターンについてかいつまんで説明すると、Broncosは
- L o Sから近い位置にできるだけたくさんの選手をセットさせる(この選手の選抜にあたってはタイトなカバーを得意とする選手を選ぶ)。それによりL oSからそう遠くない(10Yds程度)深さのどこかでボールキャリアーを補足する期待値を上げる、またはパスを投げられる先を封じてパスが投げられるより前にパスプレイを潰しにいく。
- その一方でディフェンス網の冗長性は犠牲にする。具体的いうとディープゾーンを守る選手を1人にし、浅いゾーンのどこかで誰かが抜かれたときにロングゲインを許してしまうリスクは受け入れる。
ディフェンスを行っていました。そしてそのスタイルは2015,16シーズンには大きな猛威を振るいましたが、2017シーズンには「取りにいっているリスクが得ているリターンに見合わない」状況に直面していました。そもそも論として、Broncosがこういった「ハイリスク」なディフェンスを実行していた理由には、チームにV.Miller やA.Talib といったこのスタイルのディフェンスを実行するのに最適な人材がいたことの他に「自チームのオフェンスの前進(得点)能力の期待値が低い」事情があった、というのが私の意見です。自チームのオフェンスが毎試合当たり獲得する得点の期待値がせいぜい20点ならば、ディフェンスは相手チームの得点をそれ以下に抑えることを目標にせざるをえません。
この変化はBroncosディフェンスにとって好ましい、というか必然的な変化だと私は思います。仕事のノルマや勉強の目標を思い浮かべてほしいのですが、人(でも組織でも)は達成の困難なノルマを押し付けられると、肉体的精神的あるいは時間的な制約によって生産性が低下し逆に目標を下回る成績しかあげられない、ということが往々にして起こります。つまり、目標を安定してクリアするためには、目標の方を現実的に達成可能な水準に設定する必要があります。
なかなか共感を得られないのですが、例えばあるチームが相手オフェンスの得点を24点(TD:3,FG1)以下に抑えることを達成すべき目標の第1に持ってくる場合、
- Broncosのような1ydたりとも前進させない、1点たりとも与えない
スタイルよりも
- ゲームが終わった時点で相手の得点が24点以下に収まるように相手オフェンスの前進ペースを抑える。相手の全オフェンスプレイ中ロングゲインの発生頻度を低下させ、1ドライブ当たり、あるいは試合を通してオフェンスプレイを増やさせることに重点を置いて守る
スタイルのほうが目標の達成成績は良くなるはずだと思っています。Broncosの昨シーズンは「1Ydたりとも前進させない。1点たりともやらない」という(きわめてきつい)目標がたたってロングゲイン(大量失点)を許すゲームが何度かあったのですが、今週のようなディフェンスを行っていれば今季は明らかに望まない、不本意な大量失点を喫する試合は昨季より減るだろうと予想します。
各論
Bronco’s D vs ‘hawks TE
このゲームはSeahawksのTEが大活躍する機会となりましたが、それにはBroncosディフェンスがこの日とったアサイメントが影響しています。上図のとおり2人のSがディープゾーンのカバーを分担するとTEをマンツーマンカバーする役割はLB(ここではストロングサイドのOLB)になりますが、この部分でミスマッチを衝かれる結果となりました。相手がFBを投入してきている場面でもSSを下げた状態でランに対応できるのは強みですが、このチームは今後KC(T.Kelse)、OAK(J.Cook)、LAC(A.Gates)といった優秀なTEを擁するチームとの対戦を控えています。ここをどう対処してくるのか楽しみです。
Broncosが昨シーズンまで「ハイリスクな」ディフェンスを展開していたのはオフェンスの得点能力の期待値が低かったからだ、と述べました。では、今シーズン初戦でBroncosがディフェンスのスタイルを変更できた(変更することを決断できた)のはなぜなんでしょう?
Bronco’s Offense
”Fixd”なパス
(Fixd”なパスについては
をご参照ください)
OC B.マスグレイブがRaidersで2016シーズンに展開したパスオフェンスを(ようやく)披露しました。このパスの利点として
- QBが誰に、どのタイミングで、どんなリードボールを投げるかの判断が楽(というかQBが自前で判断する部分がほとんどない)
- QBがボールを手放すタイミングが早くなるのでO-Lineにかかる物理的な負担が減る
などがあります。一方で運用上の不利な点として、プレイをコールするシチュエーションを選ぶため実際の試合で想定されるシチュエーションの数だけのプレイを用意して、かつそのプレイ集のなかから「ドンピシャ」のタイミングでアタリのプレイをコールする必要があります。
ブログ更新しました。
「2018 Season Seahawks vs Broncos Review」
Week 2 Raiders @ Broncos プレビューつき!
チェッケㇻhttps://t.co/636aiB80mD pic.twitter.com/jpngXwmsf6— ケチャ[kétʃə] (@toosourketchup) September 14, 2018
このプレイが典型的なんですが、このスタイルではQBはディフェンスのカバーを読むことをせずに
- 予め決められたターゲットに向けて、
- 予め決められたタイミングで、
- 予め決められたリードボールを、
機械的に投げ込みます。ここではQBとターゲットの♯88のどちらかがルートを間違ったんだと思います。この試合では模擬的運用というかショートパス中心の運用でしたが徐々にミドル~ロングと運用範囲を広げていくんじゃないかと思います。
ところで、Broncosのオフェンスはパスオフェンスに関わる部分ではQB以外には目立ったメンバーの変更はないですよね?今オフの新QB獲得がこのシステムの導入を可能にしたんでしょうか?
Seahawks
このチームは攻守にわたって競争力の高い各個人/各ユニットを相手にぶつけて勝負してくる正攻法スタイルに特徴があると思うんですが、このゲームでは、今のデプスはその正攻法スタイルで勝負ができる水準にないことを露呈したように感じました。ディフェンシブフロントはC.AvrillとM.Bennettが抜けただけですよね?4人全員が弱くなっちゃったように見えたんですけど…
NFL 2018 Season Week 2 Raiders @ Broncos
やっと本題
Raiders Offense vs Broncos Defense
上はWeek 1のSeahawks戦のBroncosのディフェンスアライメント/アサイメントをそのままRaidersにぶつけた場合の想定図です。このアサイメントだとワイドアウト2人+TEに対してS2人の冗長性を確保できます。一方で先週大活躍したRaiders TE Jared Cook とBroncos LBとの間で明らかなミスマッチが生まれます。
SSをTE とマッチアップさせればTE とのミスマッチは解消できますがSによる冗長性(Raidersのワイドアウト2人+TEに対するバックアップ)は1枚になってしまいます。
TE カバーマンとしてニッケルバックを1枚加える手もありますが、その場合はLBが3枚となりランディフェンスが手薄になります。
Raidersとしては以上のBroncosディフェンスのカバー上の事情を踏まえて相手の弱い部分に上手くつけ入りたいところです。
あと、先週のゲームで気になったのはBroncosのカバーチームが良いせいなのかSeahawksのパスルートに問題があったのかよく分からないんですがHawks QB R.ウィルソンのボール離れが良くなかったことです。Raiders(というかQBDerek Carr)はボールを持ち過ぎないようにパスを通すのか/投げ捨てるのかの判断を(先週より)速くする必要があります。
Broncos Offense vs Raiders Defense
Gareon Conley vs Broncos
今週はDemaryius Thomas,Emmanuel Sanders との対決です。決め打ちの速いタイミングのパスが飛んでくると予想されますが、どこまで対応できるか。あと、オフェンスのプレイ選択として彼のサイドにどれだけパスが飛んでくるのかも注目してます。
Broncos Offensive Line vs Raiders Defensive Front
Broncosのオフェンシブラインについてはさほど評価していなかったので、Week 1のパフォーマンスには正直驚きました。一方のRaidersは開幕前の期待を裏切る厳しい船出。あの若いユニットは先週のゲームで気をよくしている相手に対してどこまで食い下がれるか。P.J.Hall は足首の怪我で水曜木曜の練習を休んだそうで経過が気になります。
Previewその他トピック
開幕前にカットされていたMartavis Bryant とまさかの再契約となりました。オフの期間に全く息を合わせてこなかったレシーバーと契約するよりは期待が持てそうですが、一方で彼の場合プレシーズンゲーム4試合のなかでも(ボールを回してもらう機会があったにもかかわらず)それほどアピールできていなかった点は気がかりです。
NFL 2018 GAME Logs
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