アメフットにおけるディフェンスの2大潮流 ブロンコス型とペイトリオッツ型について(序)
アメリカンフットボールのディフェンスの仕方を考えるとき、
1)寸土たりとも与えない/1点たりとも与えない
ことと、
2) ある程度進まれる/点を取られることは許容するが、進まれ過ぎない/点を取られ過ぎない
ことのどちらに重きを置くかによって、選手の適正や運用の仕方が違ってきます。
またこの2つはちょうどトレードオフの関係にあり、
1)寸土たりとも与えないことに重きをおくと、1プレイあたりの喪失ヤードを小さくすることが期待できるが、1ゲームあたり(65~75プレイ毎)に一発ロングゲインが発生する頻度が高くなり、
2)を選択すれば、1ゲームあたりの一発ロングゲインの発生頻度は下がる一方で1プレイあたりの喪失ヤードは増えてしまうでしょう。
このどちらを選択するかは、当然チームのオフェンスの得点能力への期待によっても違ってきます。
以下の連載では、
Denver Broncos
と
New England Patriots
の2チームを対象に、この2つのディフェンスのスタイルの違いと、そもそも何故こんなにも違うのか、を両チームの背景も踏まえて考察していきます。
何故この2チームかといえば
- 両チームのチーム事情(特にオフェンスの事情)がおおよそ対照的
- そのためチームのディフェンスへの要求も対照的
- であるにもかかわらず、チームの要求を、其々の対照的なアプローチ方法を用いて
- 大成功を収めている
からです。この両チームは今観られる “Modern Football” の体現者として格好の教材であると考えます。
この連載が、みなさんのアメフットへの気づきや贔屓チームの新しい魅力を再発見する機会になればと期待します。
ちょっと長いかもしれませんがお付き合いください。
アメフットにおけるディフェンスの2大潮流 ブロンコス型とペイトリオッツ型について
全5回シリーズ
- アメフットにおけるディフェンスの2大潮流 ブロンコス型とペイトリオッツ型について(序)
- ディフェンスにおけるリスクとリターンのトレードオフ
- Bronco’s ”殺られる前に殺れ” Defense 、或いは”semi Goalline defense”
- Patriot’s “ロングゲインだけはダメよ” Defense” 、或いは”Semi Prevent Defense”
- ”不幸なDはお互いよく似た特徴により不幸だが、幸福なDは其々の特徴により幸福である”
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