Oakland Raiders vs Los Angeles Rams Preview (1.0)
世界一早い(?)Raiders 2018シーズン開幕戦のプレビュー1.0 。今考えてることをまとめておくと試合直前に書き直すのが楽かと思って…
(´ω`;)
Los Angeles Rams ってどんなチーム?
昨シーズン新HC Sean McVay を迎え、タレント豊かなオフェンスメンバーを有効に活用することで大躍進を果たしました。ディフェンスにもスターDT Aaron Donald やDenver Broncos のディフェンスコーチとして歴史的な大成功を収めたWade Philips を擁しています。今シーズンオフも野心的な補強を継続しており2018シーズンの動向が注目されるチームです。
昨レギュラーシーズン15試合(プレイオフ出場を決め主力選手を休ませた1試合を除く)中オフェンスが30点以上取った試合が9試合(うち40点以上取った試合が4試合)、30点に届かなかった試合6試合中26点かそれ以上取った試合が3試合と得点能力が高度に安定しています。
ディフェンスは30点かそれ以上失点した試合が15試合中3試合、失点を24点かそれ以下に抑えた試合が9試合です。
チームのメンバーには元Chiefs のCB M.Peters 、元Broncos のCB A.Talib 、ディフェンスコーチのW.Philipps 、元Patriots (その前はSaints)のWR Brandin Cooks など、ここ数年Raiders を痛めつけてきた人物が複数在籍しています。彼らへの”リベンジマッチ”としての側面もこのゲームの注目点です。
オフェンス
攻撃の中心は#30 RB Todd Gurley です。
2017シーズンのラッシングヤードはリーグ2位。TD リーグ1位。アベレージもリーグ3位です。
RB 群のレシービングヤードも(TOP 10中)2位。アベレージは(同)2位ですが1位のC.Thompson (WAS) よりレシーブ回数が25上回っています。20Yds 以上のゲインを記録したのが12回(レシービングあたり18.8%)スクリーンパスを効果的にコールしている結果と考えられます。
昨シーズンのパス成績です。ここからS.Watkins が抜けてPatriots よりB.Cooks が加入します。Cooks は先シーズンのS.Watkins のスタッツを抜いてくると考えられるので、パス成績は昨シーズン実績に対して純増が予想されます。
かなり怖いです。。
弱点としては、強力な4メンラッシュによりオフェンシブラインのブロックが破られ残り7人のセカンダリーによりRB/ レシーバーを拾われる、という展開でボールの前進が停滞する場面が見られました。攻撃の大部分をT.Gurley 1人に負ってしまっているため、彼の健康状態次第で大失速することも予想されます。
(この記事中 にもRams オフェンスの特徴について簡単にまとめました。ご参照ください。)
ディフェンス
*書く内容をまとめきれませんでした。この部分は後日アップ予定のプレビュー2.0 版で書きます。
Raiders Offense vs Rams Defense
ラッシングゲーム
2018年6月現在私は2018シーズン、Raiders はラッシングオフェンスをM.Lynch とD.Martin のローテーションによるスラントオフタックル主体に組み立てると推測していますが、このスタイルはRams のディフェンシブフロントに対して不利に働きそうです。A.Donald とD.Sue がブロックを割ってRB をロスタックルに追いやる場面が目に浮かびます。Rams ディフェンスに対しては両オフタックル間へのランを避けてオープンに速く抜けるラッシングスタイルのほうが合理的だと考えます。
パッシングゲーム
QB D.Carr は球離れを速くする必要があります。W.Philips のディフェンスは、3人のディフェンシブフロントと4人のLB によるブリッツを軸とする、プレッシャーフロント型の守備に特徴があります。このディフェンスでは4人のLB の本来の守備位置であるフラット~フックのミドルレンジのディフェンダー密度が薄くなる傾向があります。このエリアにパスラッシャーがCarr を捉えるより先にレシーバーを送り込み、パスを通す必要があります。このシナリオではTE J.Cook 、スロットレシーバーA.Cooper とR.Switzer の活躍がカギとなります。
A.Talib vs M.Bryant/ J.Holton
A.Talib はレシーバーへのバンプ(パンチ)と自分の身体を上手く使うことでレシーバーのリリースとルートランを邪魔するのが上手い選手です。一方で快速レシーバーの後ろからボールに追いつくスプリント力はありません。彼に対してはSteelers から加入したM.Bryant やJ.Holton をマッチアップさせてディープゾーンを攻めるやり方が効果的だと思います。Rams ディフェンスが彼へのヘルプのためにS を下げざるを得ない状況を作れれば、ランを出すのもミドルレンジのパスを通すのもしやすくなります。
なにより(ここ重要)A.Talib に一泡吹かせてやりたいです。
M.Peters
A.Cooper がスロットにセットしたフォーメーションで彼がCooper にマッチアップを挑んできた場合を除いては、あえて彼の守備位置を攻める必要はないと考えます。Raiders オフェンスとRams ディフェンスのミスマッチは
- 3番手DB 対 A.Cooper
- フック~フラットのゾーンにTE /スロットレシーバーを送り込む
- A.Talib 対ディープスレッド2人組
- M.Peter 対ワイドアウト(特にJ.Nelson)
の順番でRaiders 側に有利とみています。この試合では、Raiders のプレイコーラーが相手チームの一番強い部分を避け一番弱い部分に自チームの一番強い部分をぶつける合理的な選択が行えるか、にも注目です。M.Peters/ A.Talib とマッチアップするJ.Nelson をターゲットに選んでパス不成功、とかパスが投げられずCarr がサックされる場面を連発するようだと先が思いやられます。
Raiders オフェンシブライン対Rams ディフェンシブフロント
A.Donald 対K.Osemele の「亜人対決」が見ものです。左右のオフェンシブタックルの活躍が気になりますが、同時に彼らの負担を軽減するような戦術上の配慮がなされるかにも注目です。
Raiders スキルポジション(RB/ WR /TE)対Rams セカンダリー(LB/ DB)
Raiders に有利とみます。観戦上の要チェックポイントはRaiders プレイコーラーの「差し手」です。
Rams Offense vs Raiders Defense
Raiders ディフェンスが、豊富なタレントを有効に活用してくるRams オフェンスを「シャットダウン」することには困難が予想されます(無理だと思います)。Raiders にとってクリアすべき最低限のゴールは「喪失に歯止めが利かなくなる事態は避けること」「際限なく失点しないこと」です。「試合を通じて秩序を保って後退し続けること(その結果の失点は受け入れる)」ができれば成功と考えます。
ラッシングゲーム
Rams はマックの反対サイドへのオープンのランを狙ってくると予想します。ここを攻略できれば
- オフェンスの起点を確立できる(とりあえずここを攻めとく、というコールの仕方ができる。プレイコールのとっかかりができる)
- プレイアクションパスへとオフェンスのゲームプランを展開できる
- LB をLos に引きずり込むことでプレイサイドのフラットゾーン~フックゾーンを攻めやすくなる
と、プレイ選択の幅が広がり断然ボールが進めやすくなります。J.Goff のためにもランプレイの割合を増やしプレイアクションの有効性を上げれば、彼がパスを通しやすくなります。
Raiders ディフェンスはここでコンテインに失敗すると後手に回ります。マックの相方(2018年6月現在この役割はB.Irvin になると考えています)はSAM と協力してRams のランがオープンまで展開することを阻止する必要があります。LB ユニットがRB をサイドラインまで追いかけたり、ランの手当てのためにSS (おそらくK.Joseph)を前に上げてくることを強要されると後方の守りが薄くなります。
Rams がイニシアチブを握るかRaiders がそれを阻止するか。この結果次第でパッシングゲームの様相も違ってくると思います。
Rams オフェンシブライン対Raiders ディフェンシブフロント
Raiders が優勢とみます。注目点はK.Mack の反対サイドのランディフェンス(コンテイン)とパスラッシュの生産性の高さで、ここはRams オフェンスの前進(得点)に歯止めをかけられるか、引いてはこの試合に勝てるかどうかのかかる最重要ポイントと思われます。4人のフロントは協同して試合を通じて生産性の高いラッシュをかけ続ける必要があります。
Raiders スキルポジション(RB/ WR /TE)対Rams セカンダリー(LB/ DB)
Rams が優勢とみます。Raiders としては
- Rams のランを止めてセカンダリーがパスカバーに集中して取り組める環境を用意すること
- ミドルゾーンカバーの責任者とディープゾーンカバーの責任者との間でディープゾーンに流れたレシーバーの受け渡しを上手くやること
- カバースキームが破綻するより前にQB を仕留めること
が重要です。
*ブリッツは禁忌です!これをやろうとするとMcVoy に察知されスクリーンで裏をとられるリスクが高いです!!4人で必要十分なプレッシャーをかけ続けなければなりません!!!
私が特に注目しているのは「Rams のコーチがRaiders ディフェンスのどこを、どう攻略してくるか」です。今リーグの注目を集める戦略家のプレイ選択は、他チームがRaiders ディフェンスをどう評価しているのかを知る格好の手掛かりになると思います。
まとめ
J.Gruden 政権で再スタートを切るRaiders にとって、初戦から厳しい戦いになることが予想されます。私は今季のRaiders の勝ちパターンは「オフェンスが毎試合30近く取り、ディフェンスの失点をそれ以下に抑えることで逃げ切る」ものと考えていますが、このパターンを成立させる前提「オフェンスはどんなチームから30近く取る実力があるのか」「ディフェンスは得点力のあるチームを相手に大量失点を避けられるか」がいきなり試される機会になります。試合の展開としては
- オフェンスが爆発して30点以上とりディフェンスが失点をそれ以下に抑えて勝つ
- オフェンスは爆発して30点以上とったがディフェンスがそれ以上に失点して負ける
- オフェンスが爆発せず得点できずディフェンスも大量失点を避けられずぼろ負けする
3つのケースが予想されます。
- オフェンスが爆発せず得点できなかったがディフェンスが失点をそれ以下に抑えて勝つ
可能性はほとんどないと思います。
*開幕直前頃にアップデートされた情報を元にレビュー ver.2.0 をアップする「予定」です。
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