2019 Season Raiders Roster の確認 ディフェンス編
4-2 ニッケルパッケージがベースになりそうです。
ランディフェンスサマリー
Raiders は昨季1試合当たりラン喪失ヤード140.6でワースト3位、ラン1回あたり平均喪失ヤード4.7ヤード(ワースト8位タイ)、1回40ヤード以上の喪失機会が7回で断トツワースト、という成績でした。この原因となったのが両エッジラッシャーのコンテイン能力の不足でとにかく相手チームにオフタックル~オープンにかけてのエリアを好き放題に走られすぎました。今季はどうか?新人(2019ドラフト全体4位ピック)Clelin Ferrell によって一側のコンテインは締まるだろうと予想します。もう一方のエッジは Arden Key の成長次第になります。左右のエッジラッシャーによるコンテイン(RBをボックスエリアに封じ込める動き)が機能すれば、レイダーディフェンスにはDT,ILB,Sの各ユニットに良いタックラーが揃っているためランディフェンスはかなり向上するものと思われます。
パスディフェンスサマリー
昨季の実績はパス1回あたりの平均喪失ヤード8.2(ワースト1位タイ)、パサーレイティング101.0(ワースト4位)、サック数13(断トツ最下位委。ワースト2位は30)でした。今季はまずカバーチームの改善が見込まれます。レイダーズは2014シーズン以降、相手の3人のWRをカバーするCBの数が不足していましたが今季はこのユニットの層の厚さがこれまでで最も充実しています。3年目(スターター2年目)の
Gareon Conley はチームが弱いせいで注目されませんがプロボウルに選ばれてもおかしくない実力を持っています。ここ数年弱点であり続けた対側のCBも新人
Trayvon Mullen と Keisean Nixon (UDFA)によって締まりそうです。スロットコーナーにはFA加入の Lamarcus Joyner が入ります。昨季ワーストだったパスラッシュの改善については現状あまり見通しは良くありません。新戦力 Clelin Ferrell はランディフェンスは良さそうですがパスラッシュに関してはあまり才能がなさそうで(私見ですがパスラッシュの成績はほとんど当人の才能による部分で決まると思っています)、パッシングダウンでは Maxx Crosby を起用するなどするのかなと思います。この分野でもチームの趨勢を左右するのは Arden Key だと思います。彼は才能は間違いなくあるんですが自分のやろうとすることをやりきるのに十分な身体機能(特にコア、体幹の支持性)と1試合を通じてパフォーマンスを維持するスタミナが欠けていました。本人はこのオフにしっかり体を作ってきて昨季よりウエイトを増してキャンプインしたとのことで、このバルクアップが試合でのパフォーマンスの向上としてみられるかどうか注目です。彼が相手のパスポケットの外側を壊してQBを仕留めるか、最低ポケットから追い出すことができれば、フロント4で30サックくらいは稼ぐんじゃないかと思います。
ユニット別サマリー
Defensive FrontC
Clelin Ferrell ,Johnathan Hankins ,Maurice Hurst ,Arden Key ととりあえず試合にはなりそうな面子を揃えることができました。ただこのスタートメンバーでもランとパスの両方に対応できそうなのはHurst ぐらいでローテーション要因も層的にやや薄く、物足りなく感じます。
Linebacker
Vontaze Burfict ,Tahir Whitehead ,Lamarcus Joyner によるニッケルパッケージを多用しそうです。相手オフェンスのTEとはJoyner がマッチアップすることになるんでしょうか。
Cornerback
個人的に一番楽しみにしているユニットです。注目はG.Conley の対側に入るCBで
Trayvon Mullen かKeisean Nixon のどちらかが昨季スターターだった
Daryl Worley を押しのける活躍をみせるようなら相手オフェンスのレシーバー3人に対する抑止力は今季飛躍的に伸びると思います。
Safety
ルーキーのJohnathan Abram とKarl Joseph がコンビを組みます。Abram はドラフトされたときから身体機能とアスレチズムの欠如を指摘されていましたが実戦ではどうなんでしょうか。当人はとにかく向上心旺盛でHCグルーデンを宿泊先のホテルで追い回し質問攻めにしたことが好意的に取り上げられていました。Abramとコンビを組むJoseph はパスディフェンスにずっと課題を抱えています。ドラフトでチームがAbramを指名(その前にはJoyner をFAで獲得)したときには戦力外にされることも考えられたのですがキャンプインからここまでずっと正SSの座を確保し続けています。このユニットの運用で注目しているのは実はスロットコーナーに入るJoyner で、Abram、Joseph、Joyner の3人をフィールドに送り込むと、Joseph を彼の得意とするボックスディフェンダー(ランディフェンダー/パスラッシャー)とし、フィールドの奥1/2をAbramとJoyner の二人で守る、っていうカバーも理屈の上では可能ですよね。ちょっと見てみたいです。
ディフェンスの注目点
Q1.Arden Key は覚醒するか?
今季のディフェンスの成否は彼の飛躍にかかってくると思います。今オフ、レイダーディフェンスはとても理にかなった、良い補強をしたと思います。「彼が相手がパスをコールする毎に効率的にQBにプレッシャーをかければ」「彼が相手がランをコールする毎にプレイサイドを抑え込めば」、レイダーディフェンスはリーグのトップ10に入るポテンシャルを持っていると思います。逆にいうと、彼のパフォーマンスが昨季並みだった場合、チームのディフェンスへの投資はほぼ無意味に終わる予想します。本来であれば彼一人にそれほど多くの責任を負わせるべきではなく、そういう意味ではまだまだチームの選手層の厚みは十分でないのかもしれません。
Q2.Key の次に注目すべきプレイヤーは?
Lamarcus Joyner を挙げます。ここ数年チームの弱点だったスロットレシーバーへのカバーの他Joseph の苦手とするパスカバーの手当て、LBが1人減ることへの手当てなど、彼には多くの期待がかかります。
Q3.チームからプロボウラーが選ばれるとしたら?
Gareon Conley ,Lamarcus Joyner ,Vontaze Burfict ,Maurice Hurst は選ばれてもおかしくないと思います。プロボウルセレクションにはチーム成績の良さが絶対的に影響することを踏まえると、先に述べたとおりArden Key の活躍が不可欠と考えるので彼も選考に挙がってくるでしょう。
冗談でもなんでもなく今季のレイダーディフェンスはかなりいい線行くと思いますよ。
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