2019 Season Raiders Roster の確認 オフェンス編
シーズン前だけ本気出す!
(`・ω・´)キリッ !
オフェンスパッケージサマリー
21 personnel (FBを入れたパワーIフォーメーション)と 11 or 10 personnel (RBが1人でWRが3人または4人のスプレッドフォーメーション)の併用になると思われます。このうちスプレッドフォーメーションに関しては Derek Carr 入団の2014シーズン以降、人材面で最も充実したシーズンとなります。
WideOut: Antonio Brown , Tyrell Williams , J.J. Nelson
Slot Reciever: Ryan Grant , Hunter Renfrow
TE: Darren Waller , Derek Carrier
RB: Jalen Richard , DeAndré Washington
Raiders は2014シーズン以降ずっと、スプレッドフォーメーションにおける4人のレシーバーと1人のRBの合計5つのスキルポジションのどこかに弱点を抱える状況に悩まされており(2018シーズン以前はスロットが弱かったし、TE J.Cook が大活躍した2018シーズンは彼以外のすべてのポジションが弱かった)、ボールを預ける先がどうしても偏るという弱みがありました(相手ディフェンスからすればRaiders の強みを持つ部分のカバーを手厚くして弱い部分はそれなりのカバーで済ませる、という選択を取ることができました)。しかし2019シーズンようやく、対戦相手に合わせて、試合各スナップ毎に相手ディフェンスとのミスマッチを突くプレイ選択ができる環境がようやく整ったようにみえます。
パワーIフォーメーションの成否のカギを握るのはルーキーRB Josh Jacobs です。彼はAlabama大では主にスプレッドフォーメーションで使われていて、かつスナップ機会を制限されていたとのことで、カレッジよりはるかにプレイレベルの高いプロの試合でIフォーメーションからのデイライトランに適応できるのか、チームの要求するだけのキャリー数を稼げるのかが問われます。因みに現在のロースターのうちTBの資質がある(と思われる)RBは彼しかいないので(J.Richard とD.Washington はTBで全然走れないことが立証済み)、彼が戦線離脱するとか全く走れなかったりする場合にはIフォーメーション自体が使われなくなる可能性があります。。
ユニット別サマリー
Offensive Line
LT D.Penn LG K.Osemele を失い再構築にとりかかることになります。このユニットが競争力を持つうえでカギになるのはLT Kolton Miller です。RTに入る新戦力のTrent Brown はじめLG Richie Incognito(出場停止4週(?))までの4つのポジションについてはそれなりに機能するでしょうが、LTの彼が”回転ドア”のようなパフォーマンスに終始した場合、そのことがオフェンス全体のパフォーマンスを大きく損なうことになるでしょう。もしそうなったら?BrownをLTに、RTにBrandon Parker を投入することになると思います。あわせて、パスプロテクションに多くを負わせないようプレイコールを工夫することで(パスラッシュに脆弱な)D.Carr に速いタイミングでボールを投げさせることも重要です。
Runningback
ルーキーの Alec Ingold がまさかのロースター獲得。昨季在籍の Kieth Smith も相当なブロック力の持ち主でしたがその彼を押しのけての加入に期待が高まります。ただ、彼のブロックを背に受けて走れる人材がJ.Jacobs ただ一人で、昨季M.Lynch の負傷欠場後のようにTBが抜けてしまうとIフォーメーション自体使えなるリスクがあります。このへんRBが3人(FBを入れて4人)というのは長いシーズンを乗り切るには層が薄すすぎる気がします。シーズン中のてこ入れもあるんでしょうか。
Wide Reciever
Antonio Brown の実績はやはり傑出しています。彼以外のワイドアウトとしてチームには yrell Williams と J.J. Nelson がいますが投げられたボールを確実に捕ることにかけて彼にかなうわけがありません。1ファンとしては彼がシーズンを通じて精神的に落ち着いてくれることを願うばかりです。
スロットレシーバーの Ryan Grant と Hunter Renfrow は派手さはないものの堅実なレシーバーだなという印象を持っています。チームには両外に一発の怖さをもったレシーバーがおり相手ディフェンスとしてはどうしても外側の守りを厚くせざるを得ないので、彼らが手薄になったフィールド中央でショート~ミドルレンジのパスを取る機会が増えると予想します。
Tight End
昨シーズン大活躍したJ.Cook に見切りをつけ Darren Waller をスターターに抜擢しました。彼は6-6インチ255 lbs の巨漢で、DBだと体格差で、LBだとスピードでミスマッチを作り出せるプレイメーカーです。昨季活躍したのは1試合でたった2回のボールタッチでしかなく、1シーズンを通じての評価を受けるのは今シーズンが初めてとなります。トレーニングキャンプからプレシーズンを通じてRaidersつきのレポーターからの評価が高く、今季注目株の一人です。
Quarterback
特に話すことありません。
オフェンスの注目点
Q1.アントニオは、、?
分かりません。分かりようがありません。。(;´Д`)。仮定の話ですがBrown がスターターとして期待通りに働いた場合とそうでない場合(彼の代役をWilliams かNelson が果たした場合)とを比較するとレシービングヤードで500~700Yds、タッチダウン数で5~10は違ってくるでしょう。それだけではなく相手ディフェンスが「対アントニオシフト」を敷いてくることで他の選手のカバーが薄くなる効果もあります。当たり前ですが直近のNFLTop100で7位にランクインする選手の代わりなんて他できくはずがないのです。ファンとしては彼が精神的に安定して「普通に」プレイしてくれることを祈るばかりです。
Q2.ルーキーRB Josh Jacobs は?
Antonio Brown の存在を別格とすると、それ以外でオフェンスの出来を左右しそうなのはJacobs の走りが挙げられます。先述のとおり今季のRaiders はパワーIフォーメーションとスプレッドフォーメーションの2つのパッケージを併用することになりますが、スプレッドから速いタイミングでのパスを繋ぐ攻めだけだと安定性(ファーストダウンを繋ぎながら継続してボールをを前に進め続ける)が得られません。そのためにどうしても「オートマチックに」4ヤード後半のゲインを稼げるパワーランが必要なのですが、、もしJacobs が平均4.6Yds以上トータル1,000Yds以上稼ぐことがあればオフェンスの成績を相当引き上げるでしょうし彼自身のオフェンシブルーキーオブザイヤー獲得も視界に入ってくると思います。
Q3.プレイコール
近年、NFLは攻守ともますます「システム化」が進行しています。この傾向については記事を書いてみたいと思っているのですが、どういうことか簡単にいうとNFLはプレイヤー個々のマッチアップを重視する傾向(スナップ毎に1対1の対決がフィールドのあちこちで11個行われているイメージです。伝わるかな?)から、その試合における、そのスナップ毎に明確なチーム目標をたてその目標を達成するためのアサイメントを確実に実行できるプレイヤーを求めるようになってます。
、、、難しいな。(-_-;)
チーム力は、ざっくりいうと、個々の選手の仕事量(とその総和)と、それら選手の仕事量を効率的に仕事の成果に結びつけるコーチングの2つの要素から成っています。このうちコーチングの要素の重要性が近年とみに高まり、それによってチームが選手に要求する素養も変わってきている、というのが私の意見です。この私見にしたがうと、そもそも優れたオーガニゼーション(スカウティングスタッフとコーチングスタッフ)を有するチーム以外にはシーズンを勝ち抜く可能性がほぼないことになります。
で、Raiders はどうなのでしょうか?今オフの動きをみるかぎりプレイヤーの選抜の仕方はそれなりにいい線をいっているように見えます。あとは1試合ごとに1スナップごとに、相手ディフェンスのコールするプレイに対して「コール勝ち」できるプレイをぶつけることができるかどうか。
今季に限って言うとRaiders がリーグ制覇する可能性はまずないだろうと思います。でも中長期的にGruden Mayock のコンビがリーグの頂点を目指せる器なのかどうかの手がかりは、1試合ごとのゲームプランの実践(試合前の準備)と1スナップごとのプレイコールを見ていくことでつかめてくると思います。
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