2018シーズン Amari Cooper が大ブレークすると考えられる3つの理由
その理由を探るべく、我々はアマゾンの奥地へと向かった(向かわない)。
A.Cooper ってどんな選手?
名門University of Alabama 出身。2015年ドラフトにて全体の5番目にRaiders に指名されました。このドラフトにおけるWR としてはトップの指名でした。Atlanta Falcons 在籍のJulio Jones の後輩にあたります。
NFL デビュー直後からフットボールファンの度肝を抜くプレイを度々披露し「リーグの次世代のスター」となることを期待される選手ですが、パフォーマンスの振れ幅が大きく「チームを勝たせられる選手」となるには至っていません。リーグのWR 群においても「エリート」と呼べるほどの記録は残せないでいます。
プレイスタイル
ディフェンダーをセパレートする能力に強みがあります。フェイントでディフェンダーを釣り、その一瞬の”フリーズ”のあと相手を一気に置き去りにします。
— ケチャ[kétʃə] (@toosourketchup) June 5, 2018
— ケチャ[kétʃə] (@toosourketchup) June 5, 2018
— ケチャ[kétʃə] (@toosourketchup) June 5, 2018
— ケチャ[kétʃə] (@toosourketchup) June 5, 2018
私は彼を観察していて上記の特性が生かせる場合と生かせない場合の条件があることに気がつきました。キーワードは”スペース”です。
- 相手との距離が十分にあり、かつCooper の周囲に十分なスペースがある場合、彼の長所は現れやすくなります。
- 相手に距離を詰められ、かつCooper の周囲に十分なスペースがない場合、動きにキレがなくドロップなどミスが嵩みます。
私が来る新シーズンにCooper のブレークを予想するのは、上にあげたCooper にとって働きにくい環境を改善し、彼にとって働きやすい環境を提供する準備が、チームの側にようやく整ったと考えるからです。
理由1.自分にかかるマークが軽減される
今シーズン、Raiders はようやく4つのスタートレシーバーポジションに競争力を持つ人員を集めるに至りました。またこのユニットは控えの層も厚くそれぞれが固有の強みを持つなど冗長性も備えています。これにより相手ディフェンスはこれまでのようにCooper の活動するスペースだけを狭めていく戦術がとれず、フィールドを広く薄く守らざるをえなくなります。自然、Cooper が活動するスペースはこれまで以上に拡がると推測されます。
理由2.セットするポジションを変える自由度が増す
過去2シーズン、Cooper はワイドアウトにセットする機会が多くありました。これは他にワイドアウトを任せられる選手がいないというチームの事情を受けてのものでした。Cooper 自身についていえば、自分のセットする位置はワイドアウトであろうがスロットであろうが苦にしない印象を受けます。というか、むしろワイドアウトにセットしたときのように相手CBにバンプ&ランを仕掛けられる機会の少ないスロット位置でのプレイの方が彼の性に合ってるのではないかと思われます。
— ケチャ[kétʃə] (@toosourketchup) June 5, 2018
ワイドアウトをJordy Nelson, Martavis Bryant, Johnny Holton のいずれかで固めた場合、Cooper をきれいにスロットレシーバーの位置にはめ込むことができます。
一方Cooper をワイドアウトにセットする場合は片側の相棒をJ.Nelson, M.Bryant のどちらかとしスロットをCowboys から加入したRyan Switzer か昨年ブレイクした Johnny Holton のどちらかで埋めます。
理由3.カバーマンとのミスマッチがつける
ディフェンスのニッケルパッケージ(フロント6 -CB2 -Nickle Back1 -S2)の場合、3人のWR のカバー責任者は2人のCB とニッケルバックとなります。この3人のDB のカバー能力にはどのチームにおいてもばらつきがあり、特に3人目のDB はそのチームの「エース」と目されるDB より数段落ちるのが普通です。Raiders は、上で述べてきたCooper のポジションを自在に動かす自由を行使することで、彼とこの「3番手のDB」とのミスマッチを主体的にに作り出すことができます。
まとめ
Cooper は相手ディフェンスのカバーにおいて自身の周辺に広いスペースを与えられたときに常人離れしたパフォーマンスを発揮する選手です。Raiders はこのオフにようやく、その彼がパフォーマンスを発揮しやすい環境を作り出す機会を手にしました。2018シーズンは彼が、彼にとって与しやすい相手を抜き去り、広いスペースでパスを捕りまくる情景が数多くみられそうですが、それはRaiders のプレイコーラーが適切なタイミングで適切なプレイをコールできるかどうかにもかかってきます。
Amari Cooper のプレイぶりを観てると「華麗」「洗練されている」という印象を受けますが、一方では何かと比較されることの多い先輩のJu.Jones と比べると”Animal Spirit” が不足しているな、と思わされます。「泥臭さ」とか「何が何でも」という部分が見えない、見せない選手なんです。こういった性分を原因として、結局のところJu.Jones にはフットボール選手としてのキャリアでは及ばないのかな?とも思います。
でも、「才能は折り紙付きの優等生なのに、殻を破れなかったりイケてない所属チームのせいでアピールしきれなかった選手が、ようやくその才能を開花させる」、その瞬間に立ち会ってみたくありませんか?私は立ち会いたいです。
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