NFL は向こう10年Patrick Mahomes の天下になると考えられる3つのポジティブな理由と、そうはならないかもしれない1つのネガティブな理由
その手がかりを得るべく、我々は天神橋筋商店街へと向かった。
お好み焼き美味しかったです。
Patrick Mahomes って、どんな選手?
Texas Tech University 出身。2017年ドラフトにおいてKansas City Chiefs より全体の10位で指名されました。Chiefs は彼を指名するためにこの年の1位指名権と3位指名権、翌年の1位指名権を代償として差し出しています。QB としてはその年の2番目の指名でした。
余談ですがお父様の「パット・マホームズ」さんは一時期プロ野球横浜でピッチャーをされていたそうですね。
利発そうですね。
私は、彼と彼の率いるChiefs はNFL において一時代を築くことになるかもしれないと考えています。以下にその理由を述べます。
理由1.肩の強さがおかしい(褒めてます)
Every Play from Patrick Mahomes on His NFL Debut! | Chiefs vs. Broncos | Wk 17 Player Highlights
まずボールの速度とボールの描く軌道が他のQB と全く違います。サイドライン際、ミドルのレンジに投げ込まれたボールが重力に負けて垂れてきません。
このボールに乗っている運動エネルギーを、ごくごく簡単な投球モーションから生み出しています。おかしい。。
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肩が強いとこういうことができる、という見本です。投球モーションは
- ボールに強い運動エネルギーを乗せる(遠くに投げる/速度が必要とされる)場合、投球モーションが大きくなり(つまりパスのリリースは遅くなる)、コントロールが犠牲になる
- パスのリリースを速くする場合、ボールに乗せられる運動エネルギーは小さくなりコントロールも乱れる
- ボールをしっかりコントロールしようとする場合、ボールに運動エネルギーは小さくなり、リリースも遅くなる
という関係性に縛られますが彼の場合「肩が異次元に強い」ことが、小さく速いモーションから、必要十分な運動エネルギーを乗せたボールを、コントロールを効かせて投げることを可能にしています。おかしすぎますね。。
私がこれまでNFL を観てきた経験でいうと、この肩の強さとパスの軌道はJohn Elway (Denver Broncos ,1983 – 1998) やDan Marino ( Miami Dolphins, 1983 – 1999) に匹敵するか、上回るかもと思われます。
理由2.チームメイトの面子がおかしい(褒めてます)
Chiefs はTE , WR ,RB の3つのポジションにNFL トップの実力を持つ選手を集めています。
Travis Kelce
2017シーズン(TE)レシービング回数1位、レシービングヤード2位、TD 同率1位、20Yds以上のゲイン回数1位。レシービング機会が多いのにファンブルが0なのも凄いですね。
TEポジションセット以外にもワイドアウトセットからCB に1対1を仕掛けることもあります。
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ダウンフィールドへのリリース、ルートラン、カバーマンとの競り合い、キャッチ後のラン、とTE に要求されるスキルの全てを高い水準でこなします。
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Tyreek Hill
2017シーズンレシービングヤード7位。レシービング回数18位。レシービング回数TOP20 中の平均レシービングヤードは15.8で2位(1位はJu.Jones の16.4)。
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他にランでの参加機会やKR /PR としても対戦相手にとって脅威です。
Kareem Hunt
2017シーズンのラッシングリーダー。ラッシングヤードTOP 30中のアベレージゲイン同率1位。ラッシングTD数4位(上から6番目)。
ラッシングとレシービングの合計Ydsリーグ3位。TD数3位(上から3人目)。コンバインヤードで1,500Yds 以上稼ぎながらファンブルが1回だけだったのは彼とM.Gordon (LAC) だけです。
派手な3人のパフォーマンスに隠れがちですが、それ以外のスキルポジションにも才能豊かな選手が揃っています。オフェンシブラインも力強さは感じさせませんがアサイメントをとても高い水準で遂行します。このオフェンスチームには「こいつフットボールが下手くそだな」と思わされる選手が見当たりません。
理由3.オフェンス戦術がおかしい(褒めてます)
Chiefs のオフェンスプレイは相手ディフェンスを横に拡げる意図を持ったシリーズ”Horizontal Stretch Series”と縦に拡げる意図を持ったシリーズ”Vertical Stretch Series”の二つの攻撃シリーズに大別できます。彼らは試合前の入念なスカウティングに基づいてこの「横に攻める」コールと「縦に攻める」コールを絶妙なタイミングで繰り出してきます。
”Horizontal Stretch Series”
Los 上のディフェンダー密度の低い地点を抜くことを意図した攻めです。
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これらの攻めはディフェンダー、特にディフェンスの第2線と第3線を形成する選手をLos 付近に引き込む意図も持っています。つまり、次の”Vertical Stretch Series” の伏線としての意図です。
”Vertical Stretch Series”
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NFL では2016シーズンから2018シーズンにかけて、複数のQB が”フランチャイズの顔”となる期待を込めて指名されてきました。
2016年はJared Goff (Ros Angeles Rams), Carson Wentz (Philadelphia Eagles)
2017年はMitchell Trubisky (Chicago Bears), Patrick Mahomes (Kansas City Chiefs), Deshaun Watson (Houston Texans)
2018年はBaker Mayfield (Cleveland Browns), Sam Darnold (New York Jets), Josh Allen (Buffalo Bills), Josh Rosen (Arizona Cardinals)
このなかには「選手の資質云々以前に、そもそもチームの側にQB を育てる土壌があるのか」という部分で疑問符のつくチームもいくつか見受けられます。P.Mahomes の身の置いている環境は世界最先端のフットボールを学ぶのに最適な環境であると言え、このことも彼の成功に大きく有利に働くと考えられます。
ここまでChiefs の将来の明るさについて述べてきましたが、懸念がないわけでは(もちろん)ありません。
- 彼個人の資質の部分でいうと、これまで彼が見せてきたパスはやや受け手に優しくないかな、という印象を受けます。パスの軌道が「レーザービーム」スタイル一辺倒なのも気になります。受け手の腕元だけに「落ちてくる」パスなど、そのときの必要に応じたパスの種類の投げ分けはできるのでしょうか。
- ディフェンスのユニット間の競争力に差があります。OLB はスターターでも控えの層の厚さでもNFL 随一の競争力をもつ一方で他のユニットはどうなんでしょう。スターS E.Berry が健康かそうでないかで全く違うディフェンスになってしまいます。
でも次に挙げる理由の方がチームにはより深刻だと思います。
プレイオフに勝てないのがおかしい(落としてます)
Kansas City Chiefs とオーナーであるHunt 家は
- 当時興行上の競合相手であったNFL とAFL (American Football League) の合併をAFL 側のリーダーとして主導
- (NFL 改め) NFC と(AFL 改め)AFC のチャンピオン同士の対決の舞台を”Super Bowl” と名付ける
などNFL がいまの体裁を整えることに多大な貢献をした人たちです。
ですが当のChiefs についていうと、彼らは第4回Super Bowl (1970年!) の優勝以来チャンピオンの座からもSuper Bowl の出場からさえも遠ざかっています。
Grudge Match: Chiefs vs. the Playoffs | NFL
私がNFL 観戦を始めた90年代初めから2018年現在にかけてずっとプレイオフの常連である(これはこれで凄いことです)にも関わらず、プレイオフでは全く勝てません。不可解なことにホームでのプレイオフゲームの連敗記録を更新中なのだそうです。これはチームの勝敗の原因を理屈っぽく考えがちな私みたいな人間にとってはとても居心地の悪い環境です。
何故でしょう?
呪いなの?
ご縁がないの?
スピリチュアル案件なの??
Patrick Mahomes と彼の率いる”色々おかしいオフェンス”はこの”ご縁のなさ”を乗り越えるのでしょうか?注目です。
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全米 KC Chiefs 被害者の会
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